感染症の対策について

介護職の現場で相手をするのは、高齢者がメインです。高齢者は一般の人に比べて抵抗力が低いため、介護者が何らかの病気にかかっていた場合、利用者が感染症にかかる可能性は高くなります。万が一、身体の弱い利用者に病気が感染すれば、たいへん危険な結果を招くことも考えられます。

そこで多くの介護現場では、職業病対策と衛生管理の一環として、日頃から感染症予防のための対策を色々と取り入れ、それを習慣化しています。このような対策は、介護職への就職を検討しているのであれば、あらかじめ知っておく必要があります。

まず感染予防の基本は手洗いです。石鹸を両手で泡立てながら、流水で約20秒ほど洗います。これは施設の介護職であれば、フロアへ入る前に必ず行い、ホームヘルパーであれば訪問先の洗面所などを借りて実行します。また病院内では病棟の出入り口付近に、消毒液が設置されているケースが通常であり、病棟へ入る度に消毒液を両手に塗布する必要があります。

そして手洗いと同時に欠かせないのが、うがいです。特に風邪やインフルエンザなどの流行する冬場において、限定された空間に複数人が集まる介護現場では、感染リスクが高まります。専用のうがい薬か、あるいは薄めた食塩水で、こまめにうがいをすることが必須です。

さらにどのような介護現場であっても、全身や口腔内を清拭といった直接的な身体介助の前後には、必ず手洗いを実行しなければなりません。もし自分の手や指に傷がある場合には、介護用の手袋を付ける必要があります。介助中の細菌の侵入を防ぐと同時に、利用者への感染も防止することが目的です。